修理依頼や、リフォームの際にたまに聞かれるのですが、
「直す価値がありますか?」と。
価値は、
1、金銭交換価値(歴史的価値、投資的価値を含む)
2、技能的価値
3、着用価値
4、想い入れ価値
大きくこの4つに大別されると思っています。
上記の4点が揃っていれば、それはもう最強のアイテムです。
時計でもいくら換金価値が高いものであっても、
着用したくないようなものは、本人にとって着用価値はゼロな訳です。
ジュエリーを裸で着用して歩く人はいないので、
まず基本、服がありきなんですね。
でもこの原理原則をわかってない作り手や業界人の多いこと。。。
ファッションにおけるコスチュームジュエリー(安価なアクセサリー)が
どれほど重要な位置を占めているかを、わかっていない人も多いのです。
着用価値もお客様のお召し物を全てわかっていることなんてないので、
店主もわかりません。
また、想い入れ価値は当人以外にはわからない価値なので、
お金をかける価値があるかどうかは店主にはわかりません。
店主がわかるのは、
金銭交換価値(歴史的価値、投資的価値)と技能的価値です。
家電などでは存在する「買った方が安い」という価値感。
装飾品には一筋縄ではいかない価値観が存在しています。
当店もお気持ちにお応えしたいという気持ちで、
修理やリフォームに対応させて頂いております。
こうして整理してみてわかりますが、
金銭的価値と着用価値を兼ねる商品がマーケットにとても少ないことに気づきます。
真似した、真似されたと言い合っているレベルのハンドメイドサイトで売っているものに
金銭的価値があるものなどありません。
まして技術的価値となると、本当に寂しい限りです。
あと、ここ数十年で本当にお手ごろないい色石は、
産出自体が少なくなって値段が上がってしまって、
買えるような価格で商品供給が出来なくなったことも要因です。
買いたくなるジュエリーがマーケットに少ないのだという評論家がいますが、
そういう人に限って、自分で資金を投入して製品を世の中に問うている人ではありませんね。